振付・台本
ローラン・プティ
“ダンスの魔術師”の異名を持つ振付家ローラン・プティが生み出した
20世紀最高のスペクタクル・バレエ《ノートルダム・ド・パリ》。
日本国内では牧阿佐美バレヱ団だけが上演を許された傑作!
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振付・台本
ローラン・プティ
“ダンスの魔術師”の異名を持つ振付家ローラン・プティが生み出した
20世紀最高のスペクタクル・バレエ《ノートルダム・ド・パリ》。
日本国内では牧阿佐美バレヱ団だけが上演を許された傑作!
大聖堂の司教代理フロロの庇護のもとで鐘突きの仕事をする男カジモド。
その醜い姿を誰からも嘲笑されるばかりだったカジモドに、初めて優しさを見せたのは美しいジプシーの女エスメラルダでした。
一方、エスメラルダと歩兵隊長フェビュスが愛し合う姿に、強い嫉妬と怒りを覚えるフロロ。
フロロはフェビュスを殺し、その罪をエスメラルダに着せようとします。
カジモドとエスメラルダが心を通わせる優しく切ないパ・ド・ドゥ。厳格で冷酷なフロロが密かに女に魅了され、苦しみ悶える心の葛藤。
プティの振付は人物の心情を細やかに語り、愛と死のドラマを描き出します。
20世紀を代表する振付家。パリに生まれ、1940年、パリ・オペラ座バレエ学校を卒業後、オペラ座バレエ団に入団。20歳の頃から振り付けを始め、創造性と演劇的センス、エスプリに満ちた作品を次々と発表し、瞬く間にフランス・バレエ界を代表する振付家としての名声を確立する。48年にパリ・バレエ団を結成。翌年、主演にジジ・ジャンメールを得た「カルメン」で大成功を収めた後、ジジと共にハリウッドに渡り、フレッド・アステア主演のミュージカル映画などを振り付けた。また、フランスではジジを主演にレビューやショーを制作。65年、20年ぶりにパリ・オペラ座に戻り、傑作「ノートルダム・ド・パリ」を振り付けた。また、72年から98年の間は、国立マルセイユ・ローラン・プティ・バレエ団で「失われた時を求めて」「コッペリア」など、数々の作品を生み出す。
日本では牧阿佐美バレヱ団で96年に「アルルの女」、98年に「ア・リタリエンヌ」と「ノートルダム・ド・パリ」、99年に「シャブリエ・ダンス」と「若者と死」を、いずれも日本のバレエ団として初めて上演した。また、2001年には、牧阿佐美バレヱ団の創立45周年を記念して委嘱した作品「デューク・エリントン・バレエ」を世界初演。04年には「ピンク・フロイド・バレエ」を新制作した。
世界のバレエ界への多大な貢献と、01年にボリショイ劇場で新制作した「スペードの女王」の成果が称えられ、03年にフランス人芸術家として初のロシア国家章を受章。同年の秋、日本で旭日中綬章を受章した。
http://www.roland-petit.fr/index.php?p=phototheque&cata=1&r=ballet
「レ・ミゼラブル(ああ無情)」の作者として知られるヴィクトル・ユーゴーは、19世紀フランスを代表する詩人であり、小説家であり、劇作家である。同時に、文学のみならず、社会思想にも大きな影響を与える存在として、日本においても、明治時代の自由民権運動の担い手たちに与えた影響は多大なものがある。
1802年にフランスのブザンソンに生まれ、おもにパリで教育を受けた。少年時代から王党派の詩人として頭角を現したユーゴーは、青年時代はロマン派の文学運動に加わり、七月革命を契機に次第に自由主義、人道主義に目覚めていく。
こうした姿勢を反映した作品が、死刑制度に対する抗議の精神を盛り込んだ「死刑囚最後の日」(1828年)である。続いて発表された「ノートルダム・ド・パリ」(1831)もまたその流れをくむ小説であり、弱者を虐げる社会に対する人道主義的抗議として高く評価され、ユーゴーの名を世に広く知らしめた。
とくに、社会でもっとも弱い立場にある鐘つき男カジモドが見せる醜悪な外見と至純の愛の対比は、ユーゴー一流のヒューマニズムの現れと見なされている。「ノートルダム・ド・パリ」が評価されるのは、その人道主義的観点からだけではない。その芸術性もまた称賛の対象となっている。15世紀末のパリを精緻に、絢爛に、そして猥雑に描写し、なかでもゴシック様式の壮麗なノートルダム寺院をあたかも生命を持っているかのように描き出した筆力は、この作品を単なる歴史的な読み物にとどまらず、哲学性のある散文詩にまで高めている。
40年代は政治活動に身を投じ、あまり文学作品は発表していない。1848年の二月革命以後は共和党支持に傾き、ルイ・ボナパルト(のちのナポレオン3世)によるクーデターに抵抗して祖国を去ることになる。亡命生活のさなか文学活動を再開し、ナポレオン3世に抗議する風刺作品を発表しつつ、一方で神話的な世界を思わせる形而上詩をものにしている。
解放に目覚める民衆を物語の中核と考えるユーゴーは、1862年に代表作である「レ・ミゼラブル」を発表。文学者としての名声を確立する。1870年に帝政が崩壊すると祖国に戻り、この世を去るまで民主主義擁護の大詩人として国民の尊敬を集めながら筆を振るい続けた。
マルセイユ生まれ。文学と美術を修め、絵画に没頭した後、舞台装飾に進路を見出し、数多くの劇場で舞台美術家として活躍。ローラン・プティのバレエでは「ノートルダム・ド・パリ」(65年)、「アルルの女」「プルースト―失われた時を求めて」(74年)、「嵐が丘」(82年)、「四季」「ハリウッド・パラダイス」(84年)を手掛けた。フランスでは映画監督としての知名度が高く、65年のデビュー作「老婆らしからぬ老婆」が各賞を受賞して以降、コンスタントに話題作を撮り続けた。
リヨン生まれ。パリのコンセルバトワールで打楽器やオンド‐マルトノ(電子鍵盤楽器)の奏法、作曲、指揮を習得。数多くの劇音楽、映画音楽を手掛け、「アラビアのロレンス」(62年)、「ドクトル・ジバゴ」(65年)、「インドへの道」(84年)で3度オスカーを受賞、「愛は霧のかなたに」(88年)、「ゴースト ニューヨークの幻」(90年)等6作品でノミネートされた。ローラン・プティのバレエでは「マルドロールの歌」(62年)と「ノートルダム・ド・パリ」(65年)を作曲している。
マルセイユ生まれ。文学と美術を修め、絵画に没頭した後、舞台装飾に進路を見出し、数多くの劇場で舞台美術家として活躍。ローラン・プティのバレエでは「ノートルダム・ド・パリ」(65年)、「アルルの女」「プルースト―失われた時を求めて」(74年)、「嵐が丘」(82年)、「四季」「ハリウッド・パラダイス」(84年)を手掛けた。フランスでは映画監督としての知名度が高く、65年のデビュー作「老婆らしからぬ老婆」が各賞を受賞して以降、コンスタントに話題作を撮り続けた。
アルジェリアのオランに生まれる。パリの服飾デザイン専門学校で学び、ディオールの主任デザイナーを経て、自身のメゾンを設立。62年にイヴ・サン=ローランの名で最初のコレクションを発表し、世界中に200店以上のブティックを展開する、フランスが誇る一大ブランドとなった。映画や演劇、ダンスやミュージック・ホールでの衣装も手掛け、ローラン・プティのためにバレエ衣装をデザインした作品には「シラノ・ド・ベルジュラック」「マルドロールの歌」「スペイン狂詩曲」「アダージョとヴァリアシオン」「ノートルダム・ド・パリ」「薔薇の死」「ジェエラザード」がある。
Interactive Biographies - Musée Yves Saint Laurent Paris (museeyslparis.com)
など多数主演するほか、ローラン・プティ「デュークエリントン・バレエ」「ピンク・フロイド・バレエ」など多数ソリストとして出演
また、新国立劇場バレエにて牧阿佐美振付「椿姫」にてアルマン役としてゲスト主演する
パリ・オペラ座エトワール
2010年6月2日、ルドルフ・ヌレエフの「ラ・バヤデール」公演後にエトワールに任命される。 その後に加わったレパートリーには以下の作品が含まれる。「ヴァイオリン・コンチェルト」、「真夏の世の夢」(バランシーン)のテーセスとタイターニアの騎士、「オルフェウスとエウリディーチェ」(ピナ・バウシュ)のオルフェウス、「サインズ」(カロリン・カールソン)、「 A bras le corps」 (シャルマッツ)、「令嬢ジュリー」(ビルギット・クルベリ)のジャン、「アパルトマン」(マッツ・エック)、「やさしい嘘」、「詩編交響曲」(イリ・キリアン)、「マノン」(ケネス・マクミラン)のレスコー、「天井桟敷の人々」(ジョゼ・マルティネス)のバティスト、「白鳥の湖」のジークフリート王子とロットバルト、「シンデレラ」(ルドルフ・ヌレエフ)の映画スター、「狼」、「若者と死」、「カルメン」のドン・ホセ、「ノートルダム・ド・パリ」のカジモド(以上ローラン・プティ)、「ル・パルク」(アンジェラン・プレルジョカージュ)、「牧神の午後」(ジェローム・ロビンズ)。
1994年:パリ・オペラ座バレエ学校入学
1997年:17歳でパリ・オペラ座バレエ団のコールド・バレエの一員となる。
2001年:コリフェに昇進。
「牧神の午後」(ヴァツラフ・ニジンスキー)の牧神、「ロメオとジュリエット」(ルドルフ・ヌレエフ)のパリスを踊る。
2003年:スジェに昇進。Prix AROP de la Danse 受賞。
「ジュエルズ」の「エメラルド」、「フォー・テンペラメント」の第3主題、「ドガの踊り子」(パトリス・バール)の黒服の男、「嵐が丘」(カデル・ベラルビ)のヒンドリー、「パキータ」(ジョゼフ・マジリエ、マリウス・プティパに基づくピエール・ラコット復元)のイニーゴ、「ミラージュ」(セルジュ・リファール)のThe Marchand、「眠れる森の美女」の宝石のパ・ド・サンク、「ロメオとジュリエット」のティボルトとベンヴォーリオ、「白鳥の湖」のロットバルト、「ドン・キホーテ」(ルドルフ・ヌレエフ)のエスパーダ、「イワン雷帝」(ユーリー・グリゴローヴィチ)の題名役、「プルースト」(ローラン・プティ)のモレル、「メディアの夢」(アンジェラン・プレルジョカージュ)のジェイソン、「グラス・ピーシズ」(ジェローム・ロビンズ)を踊る。
2008年:プルミエ・ダンスールに昇進。
「ジゼル」のアルブレヒト、「白い闇」(ナチョ・ドゥアト)、「ペトルーシュカ」(ミカエル・フォーキン)のムーア人、「パキータ」のルシアン、「カリギュラ」(ニコラ・ル=リッシュ)の題名役、「白の組曲」(セルジュ・リファール)、「椿姫」(ジョン・ノイマイヤー)のアルマン、「ライモンダ」のジャン・ド・ブリエンヌとアブデラクマン、「ラ・バヤデール」(ルドルフ・ヌレエフ)のソロル、「アルルの女」(ローラン・プティ)のフレデリ、「シッダールタ」(アンジェラン・プレルジョカージュ)の題名役、「イン・ザ・ナイト」(ジェローム・ロビンズ)を踊る。
芸術文化勲章シュヴァリエを受勲
など多数主演する他、ローラン・プティ「ノートルダム・ド・パリ」「デュークエリントン・バレエ」、「椿姫」など数々の作品に出演。
また子役として「くるみ割り人形」クララ役(10歳)、「ドン・キホーテ」キューピット役(11歳)を踊る。
ローマ歌劇場バレエ団 エトワール
2008年、ローマ歌劇場バレエ団学校をフルスコア(20/20)で卒業し、ローマ歌劇場バレエ団(芸術監督:カルラ・フラッチ)に入団
2010年、タルサバレエ団(芸術監督:マルチェロ・アンジェリーニ)に入団
2012年、マッジオ・ミュージカル・フィオレンティーナ劇場(芸術監督:フランチェスコ・ヴェントリーリア)に入団。『ラ・シルフィード』(ブルノンヴィル振付)、『スターバト・マーテル』(ヴェントリーリア振付:主要キャスト)、『四つの気質』(バランシン振付:ソリスト)を演じ、シルヴィ・ギエムにより『ステップテキスト』(フォーサイス振付)に選出される
2013年にローマ歌劇場バレエ団(芸術監督:エレオノーラ・アバニャート)に再入団し、2015年にソリスト、2018年にプリマバレリーナに昇格、2021年に『ノートルダム・ド・パリ』でエトワールに任命される
『ピンク・フロイド・バレエ』(プティ振付:ソリスト)、『精密の不安定なスリル』(フォーサイス振付)、『ル・パルク』(プレルジョカージュ振付)、「ヌレエフの夕べ」(黒鳥のパ・ド・トロワ)、『くるみ割り人形』(アモディオ振付&ペパリーニ振付:主要キャスト)、『眠れる森の美女』(バート振付)、『カルミナ・ブラーナ』(ヴァン・ヘッケ振付)、『アリア・タンゴ』(ヴァン・ヘッケ振付)、『ライモンダ』(ヌレエフ振付)、『ジゼル』(ルアンヌ振付)、『コッペリア』(プティ振付)、『ノートルダム・ド・パリ』(プティ振付)、『白鳥の湖』(ウィールドン振付&ペック振付)、『コンサート』(ロビンス振付)、『イン・ザ・ナイト 』(ロビンス振付)、『ドンキホーテ』(イレール振付(バリシニコフ版より))、『白の組曲』(リファール振付)、『小さな死』(キリアン振付)、『アーティファクト組曲』(フォーサイス振付)、『ヘルマン・シュメルマン』(フォーサイス振付)、『マノン』(マクミラン振付)、「フィリップグラスの夕べ」(ミルピエ、ベルトー)、『ラ・シルフィード』(シャルメール振付)などを演じている。
ペパリーニはスザンナのためにジュリエットを振り付け、ブベニチェクはカルメンを振り付け、ブランは『From Afar』を振り付けた。
2016年、Danza & Danza アワードの「Emerging Performer賞」受賞
2020年には、カルラ・フラッチの生涯を描いたRAIプロダクションの『カルラ』の主演女優のスタントダブルに抜擢された
パヴロダル生まれ。2010年にA.セレズネフ舞踊学校を卒業(カザフスタン名誉労働者G. アシモワとS. コスマノフのクラス)。2010年から2013年までK. バイセイトワ国立オペラ・バレエ劇場に所属。2013年より国立アスタナ・オペラ・バレエ団のソリスト、2019年にプリンシパル・ダンサーに昇格。
受賞歴:
第1回Orleu国際バレエ・コンクール入賞(2008年)
第14回国際クリエイティブ・ユース・フェスティバル”Shabyt”入賞(アスタナ、2009年)
第7回国際フェスティバル「ダンス・オリンパス」入賞(ベルリン、2009年)
第2回Orleu国際バレエ・コンクール グランプリ(2010年)
第15回国際クリエイティブ・ユース・フェスティバル”Shabyt” 2位(アスタナ、2012年)
国際クリエイティブ・ユース・フェスティバル”Shabyt” ベスト・デュエット賞(2014年)
ダンス・オリンピアード・アジア2016 1位(アスタナ)
レパートリー:
「眠れる森の美女」の外国の王子、「ロメオとジュリエット」のマキューシオ、「白鳥の湖」の道化、ロットバルト、パ・ド・トロワ、「スパルタカス」のクラッスス、「くるみ割り人形」の中国の踊り、「バフチサライの泉」のヌラリ、「ノートルダム・ド・パリ」のフロロとフェビュス、「ドン・キホーテ」のバジリオ、「マノン」のレスコー、「海賊」のコンラッド。
佐渡バレエフレンド、日本ジュニアバレエ新潟支部、AMステューデンツで学ぶ。子役として牧阿佐美バレヱ団「くるみ割り人形」フリッツ役、新国立劇場バレエ団「眠れる森の美女」に出演。
2009年、ウィーン国立歌劇場バレエ学校に留学。2010年、シチリアバロッカ2010・国際バレエコンクールのクラシック・ジュニアの部で第1位受賞。2011年、ウィーン国立バレエ学校を首席で卒業し、ウィーン国立バレエ団に研修生として入団。2012年、ポーランド国立バレエ団に入団し、2016年にコリフェに昇格。「眠れる森の美女」ブルーバード、「ラ・バヤデール」ブロンズアイドル、「ロメオとジュリエット」マキューシオのほか、フレデリック・アシュトン、ピエール・ラコット、ジョン・ノイマイヤー、ジョン・クランコ、イリ・キリアン作品などを踊った。
2019年、牧阿佐美バレヱ団に入団。10月公演「三銃士」でアトス、12月「くるみ割り人形」で王子を踊る。2020年「眠れる森の美女」、2021年 「リーズの結婚(ラ・フィーユ・マル・ガルデ)」と「アルルの女」に主演。
ガラ公演にて「ジゼル」2幕よりパ・ド・ドゥを踊るほか、ドミニク・ウォルシュ「牧神の午後」を踊るなど多数の作品に出演
また、モンゴル国立バレエ団在籍中に「ドン・キホーテ」「くるみ割り人形」で主役をおどるほか、創作バレエの主役も務める
王立マンチェスター音楽大学でピアノ、ヴァイオリン、指揮を学び、指揮者のためのリコルディ・オペラ賞、音楽家名誉組合メダルを含む様々な賞を授与された。パリ音楽院に進学し、首席で卒業。パリ大学芸術部の講師に指名されたことで研究の継続が可能となり、イゴール・マルケヴィッチに師事する。
現在、ローマ歌劇場バレエ団の客演指揮者を務めて8年目を迎えている。これまでに「ジゼル」「ラ・シルフィード」「ラ・バヤデール」「ヴェルディ・ダンス」「コッペリア」「眠れる森の美女」「セレナーデ」「ライモンダ」「ル・パルク」「こうもり」に加えて「ザ・コンサート」「サボテン」を含む現代作品を指揮し、「ドン・キホーテ」「ラ・シルフィード」「白鳥の湖」「ライモンダ」「ラ・バヤデール」「若者と死」「カルメン」「アルルの女」をローマ歌劇場管弦楽団と収録している。2017-2018シーズンには、ミハイル・バリシニコフとローラン・イレールによる新プロダクションの「ドン・キホーテ」を指揮した。
それ以前には、ミラノ・スカラ座で15年間客員指揮者を務めた。「ロミオとジュリエット」「ジゼル」「ドン・キホーテ」「こうもり」「カルメン」「マノン」「白鳥の湖」「眠れる森の美女」「くるみ割り人形」「真夏の夜の夢」「道」「アマルコルド」「アルルの女」「若者と死」「シェリ」「シャブリエ」「ノートルダム・ド・パリ」のほかガラ公演も含め、スカラ座バレエ団のほとんどすべてのレパートリーを指揮している。スカラ座バレエ団との近年のツアーでは、東京、ロサンゼルス、ニューヨーク、英国ロイヤル・オペラハウス、マドリッドのテアトロ・レアル、サンクトペテルブルクのマリインスキー劇場、北京、天津、香港、サンパウロ、リオデジャネイロを訪れている。
東京では定期的に出演しており、牧阿佐美バレエ団とは長年の協力関係にある。同団のほとんどのレパートリーを指揮している。新国立劇場においては、数回の「バレエ・アステラス」と新国立劇場バレエ研修所の「エトワールへの道程2017」を含む様々な公演で指揮した。また、東京バレエ団とも共演がある。海外バレエ団の東京公演としては、ミラノ・スカラ座バレエ団、ローラン・プティのマルセイユ・バレエ団が含まれる。また、パリ・オペラ座バレエでは複数の作品を指揮しており、モンテカルロ・バレエ団では12年間音楽アドバイザー兼指揮者を務めた。
ガルフォースの主要なレパートリーはクラシック・バレエであるが、この8年間はバーゼル歌劇場で複数のコンテンポラリーの振付家と仕事を共にしており、12の新作を指揮している。デヴィッド・ガルフォースは、ダンスのための指揮でイタリアのダンツァ&ダンツァ賞を授与された最初の指揮者である。
2015年4月、ジャンルを問わない演奏活動を通じてオーケストラの魅力を幅広く知ってもらいたいという思いから設立。クラシックに限らず、ジャズ、ポップス、ゲーム音楽など、あらゆる音楽ジャンルに対応できる オーケストラとして、国内外で活躍する実力派の演奏家たちで構成している。様々なニーズに応じて編成を組み、オペラ、バレェ、合唱団との共演や、レコーディング、ワークショップ、式典など、それぞれの シーンに適した演奏を提供し、各方面から高評価を得てきた。一人一人の演奏家たちが織りなす熱い情熱と、聴衆に喜びをもたらす確かなスキルを原動力に、"MIRAI”の名の通り、音楽の世界に新たな“未来”を切り開くべく、今後も演奏活動の輪を広げていく。
photo Christian Coigny
牧阿佐美バレヱ団は、20世紀を代表するバレエ振付家ローラン・プティの9つの作品をレパートリーに持ち、いずれも日本のバレエ団として初の上演を果たしてきた。その始まりは、1996年の「アルルの女」上演に遡る。牧阿佐美バレヱ団の水準をプティが評価し、98年11月には大作「ノートルダム・ド・パリ」の全幕上演が実現した。
多彩な作品を手掛けているプティであるが、彼が最も得意としたのはストーリー性の高い舞踊スペクタルであり、この「ノートルダム・ド・パリ」はその代表作といえる。音楽モーリス・ジャール、衣裳イヴ・サン=ローラン、装置ルネ・アリオという各分野の第一人者の協力を得て65年にパリ・オペラ座で初演された。大作であるがゆえに上演権を持つ団体は、プティが率いた当時のマルセイユ・バレエ団以外では、パリ・オペラ座、ミラノ・スカラ座などに限られていたが、ヨーロッパ以外のバレエ団として初めて牧阿佐美バレヱ団がその上演を許可され、文化庁芸術祭主催公演として日本初演。中世パリの雰囲気そのままに、光と闇の織り成す濃密な世界を表現した日本人ダンサーたちの健闘が各紙の絶賛を集め、以後2000、03、05、06、12、16年と再演を重ねている。
99年、ジャン・コクトーがオリジナル台本を手掛け、バッハの「パッサカリアとフーガ」に振り付けた、プティ最初期の名作「若者と死」(46年パリ初演)を上演。大がかりな装置を使った本作完全版の日本初上演が話題を呼んだ。
「若者と死」1999年(撮影:山廣康夫)
01年7月、プティは牧阿佐美バレヱ団創立45周年を祝して、デューク・エリントンのジャズ音楽を使った「デューク・エリントン・バレエ」を新制作、世界初演を飾る。翌年、本作品はナポリ・サンカルロ劇場のレパートリーに加えられ、日本から発信されたバレエ作品として重要な意義を担った。
「デューク・エリントン・バレエ」2021年(撮影:鹿摩隆司)
03年、Bunkamuraオーチャードホールで「ノートルダム・ド・パリ」と「デューク・エリントン・バレエ」を6回ずつ2週間に亘って連続上演。
「ピンク・フロイド・バレエ」2004年(撮影:鹿摩隆司)
04年2月、「ピンク・フロイド・バレエ」(1972年パリ初演)を新制作。NHKホールの大空間を豊饒な光と音、映像で圧倒した本作品を携えて、牧阿佐美バレヱ団は05年夏、バルセロナ、パリ、ビアリッツの3都市を巡るツアーを敢行。同年10月、東京国際フォーラムで凱旋公演を行い、翌06年夏には再びスペイン5都市を巡演。現地での熱狂的な歓迎が08年夏「デューク・エリントン・バレエ」でのスペイン8都市ツアーへと繋がった。
「アルルの女」2021年NHKバレエの饗宴(撮影:瀬戸秀美)
21年10月、15年振りに「アルルの女」を上演。色褪せない作品の魅力を改めて示したこの舞台は、今年3月NHKバレエの饗宴の放送でも大反響を呼んだ。続く6月、6年振りとなる「ノートルダム・ド・パリ」全幕上演の幕が開く。
ローラン・プティと牧阿佐美バレヱ団 2001年
パリで生まれ育っただけでは「パリジャン」ではありません。好奇心に溢れた精神を持ち、そのエスプリは世界のあらゆる事象の全方位に開かれて、完璧な礼儀を身に付けていること…ちなみにローラン・プチは男性が女性の手の甲に軽く口付けをするベーゼ・マンをエレガントにこなしていました。そして辛辣なほどの鋭いユーモアを会得していること...
20世紀のフランスが生んだ名振付家ローラン・プティがこの世を去って11年。『若者と死』や『カルメン』『アルルの女』『コッペリア』など多彩なバレエ作品を世に送り出し、その変幻自在の作風で、「舞台の魔術師」と称えられた。 牧阿佐美バレヱ団では、巨匠の没後10年を追悼し、昨年「ローラン・プティの夕べ」を上演し、深い感銘を与えた。これに続いて今回は、大作『ノートルダム・ド・パリ』を6年ぶりに上演する...
フランス最大の文豪と称されるヴィクトル・ユゴー(1802-1885)の傑作『ノートルダム・ド・パリ』に、映画音楽の巨匠モーリス・ジャールが挑んだ。ユゴーの文学を軸に、天才振付家ローラン・プティ、衣装イヴ・サン=ローラン、音楽ジャールという超一流の芸術家たちが結集して創り上げたのが、このバレエ作品『ノートルダム・ド・パリ』である...
パリで生まれ育っただけでは「パリジャン」ではありません。好奇心に溢れた精神を持ち、そのエスプリは世界のあらゆる事象の全方位に開かれて、完璧な礼儀を身に付けていること…ちなみにローラン・プチは男性が女性の手の甲に軽く口付けをするベーゼ・マンをエレガントにこなしていました。そして辛辣なほどの鋭いユーモアを会得していること、さらに文学、音楽、美術、歴史だけでなく政治(!)とファッション(!)など、あらゆるジャンルの教養に溢れていることが必要です。彼らの教養は情熱に溢れていると同時に、冷静沈着な距離を置いて兼ね備えています。ローラン・プチはバレエの才ばかりでなく、まずは完璧な「パリジャン」でした。
「パリジャン」たちの間で大切なのは社交を支えるディネ(夕食会)。ひとつの才能が多くの才能を呼び集めます。プチのテーブルには時代の寵児ジャン・コクトーやロスチャイルド家など文化に奉仕する経済人、「ローマの休日」など多くの映画音楽を残した作曲家ジョルジュ・オーリック、同じ映画音楽の大家モーリス・ジャール…彼がプチの依頼でヴィクトル・ユゴーの名作バレエ「ノートルダム・ド・パリ」を作曲した頃、彼は映画「アラビアのロレンス」も手掛けていました…こうした多彩な才能に囲まれながら、「ノートルダム・ド・パリ」の衣装を若きファッションクリエイターのイヴ・サンローランに依頼しました。
私は個人的にローラン・プチとイヴ・サンローランとも親交がありましたが、イヴはいつもローラン・プチの人柄や仕事に対しては憧れに似た親近感を抱いていました。そんな彼が「ノートルダム・ド・パリ」の衣装を依頼されたときに躊躇うことはありませんでした。プチの期待に応え、サンローランはノートルダム大聖堂のステンドグラスからインスピレーションを受けた素晴らしい衣装を制作します。
今年の「ノートルダム・ド・パリ」の舞台を観て、きっと日本の観客のみなさまも、2019年のノートルダム大聖堂の惨事を思い起こして感動してくれることでしょう。ノートルダムは信仰を越えて、パリ、いやフランスに聳える文化芸術の灯台のようなものですから。
ローラン・プチ作品と言えば日本では牧阿佐美バレエ団です。今回もありがとう、そしてブラヴォー!
美しいエスメラルダ、美男子のフェビュス、そしてカジモドたちが演じるパリの物語。それはまさしく「パリジャン」のエスプリに包まれています。
20世紀のフランスが生んだ名振付家ローラン・プティがこの世を去って11年。
『若者と死』や『カルメン』『アルルの女』『コッペリア』など多彩なバレエ作品を世に送り出し、その変幻自在の作風で、「舞台の魔術師」と称えられた。
牧阿佐美バレヱ団では、巨匠の没後10年を追悼し、昨年「ローラン・プティの夕べ」を上演し、深い感銘を与えた。これに続いて今回は、大作『ノートルダム・ド・パリ』を6年ぶりに上演する(当初2020年に上演予定が、コロナ禍の影響で中止を余儀なくされ、今回に延期されたもの)。
この作品は、若くしてパリ・オペラ座を離れたプティが、久々に復帰して1965年に創作したもので、現在でも同バレエ団の重要な遺産として踊り継がれている。世界的にプティのバレエを上演できるバレエ団は限られているが、牧阿佐美バレヱ団は日本で唯一、この作品の上演を許可されている。こうして巨匠の名作に接することができることを心から歓迎したい。
パリのノートルダム寺院と言えば、数年前に火災に遭ったのが記憶に新しい。この寺院は、パリのシンボルでもあり、文豪ヴィクトル・ユーゴーが長編小説の題材とし、自ら執筆した台本をもとにオペラに続いてバレエ版『ラ・エスメラルダ』(1844年ロンドン初演)が生まれた。ユーゴーの台本では、エスメラルダの無実の罪が晴れるというエンディングに変えられ、ロシアでプティパによって改訂された『エスメラルダ』(1886年)でもこの流れが反映されている。
20世紀後半に誕生したプティ版は、ユーゴーの原作に基づき、悲劇へと突き進む主人公たちの姿を現代的で斬新な手法で描写。音楽は、『アラビアのロレンス』などの映画音楽で知られる巨匠モーリス・ジャール、衣装は、イヴ・サン=ローランが担当するなど最高のスタッフを集めて制作された。打楽器の強烈なリズムに合わせて、モンドリアン・ルックの奇抜な衣装をまとったダンサーたちが縦横に踊るのが見ものである。
意外なことに、バレエの主役は、ジプシー娘のエスメラルダでも、ハンサムな隊長のフェビュスでもなく、異形の鐘撞き男カジモドである。社会から疎外された弱者に光を当てた点でも、プティはバレエ界の先駆者であったと言えよう。
プティの、物語のエッセンスを取り出してドラマをまとめる手腕は天才的で、このバレエでも主要登場人物は、エスメラルダ、カジモド、フェビュス、フロロの4名のみ。各自のキャラクターがコントラスト鮮やかに描き出されたソロをはじめ、エスメラルダとカジモドの愛情の通い合うデュエット、エスメラルダとフェビュスにフロロの影がつきまとう宿命的なパ・ド・トロワなど、全2幕13場は、見どころにこと欠かない。
群舞の迫力も見逃せない。冒頭の衣裳の色彩が鮮烈だが、時に主人公達の味方にもなり、敵にもなるという謎めいた設定が、いかにもプティらしい。
今回カジモドを演じるのは、菊地研とパリ・オペラ座のステファン・ビュリオン。いずれもプティ作品の解釈に定評があるので、初演時のプティから歴代のスター達が演じてきたこの伝説の大役をいかに演じるか興味は尽きない。美貌のエスメラルダには、バレエ団のトップスター、青山季可が初挑戦。副司教のフロロには、新進の水井駿介が同じく初役で登場、ラグワスレン・オトゴンニャムとの交互出演が話題だ。
1、2月の公演が相次いで中止を余儀なくされただけに、バレエ団の総力を挙げた本公演にかける期待は大きい。今から胸をときめかせて、幕が上がるのを待っている。
フランス最大の文豪と称されるヴィクトル・ユゴー(1802-1885)の傑作『ノートルダム・ド・パリ』、映画音楽の巨匠モーリス・ジャールが挑んだ。ユゴーの文学を軸に、天才振付家ローラン・プティ、衣装イヴ・サン=ローラン、音楽ジャールという超一流の芸術家たちが結集して創り上げたのが、このバレエ作品『ノートルダム・ド・パリ』である。
これまでリスト、ベルリオーズ、ラフマニノフ、サン=サーンス、ヴェルディ、ワーグナーら、19世紀ロマン派を代表する作曲家たちがユゴーの文学や詩にインスピレーションを受けて作った曲は数多い。‟イタリアのベートーヴェン“と称されるヴェルディが絶頂期に作曲したオペラ『リゴレット』も、原作はユゴーだ。音楽の世界へ多大な影響を与えたユゴーの存在の大きさは計り知れない。
一方、映画音楽界で燦然と輝く功績を残したジャールの代表作と言えば、なんといっても『アラビアのロレンス』だろう。スケールの大きな音楽と共に、広大な砂漠を舞台に繰り広げられる物語は、映画史上に残る永遠の名作として、この世に刻まれた。
この度上演される『ノートルダム・ド・パリ』では、ユゴーが描いた人間の「宿命」というものを圧倒的な音楽で表現している。パリ音楽院で打楽器を学んでいたジャールは打楽器を巧みに使い、群集シーンでの生命力が漲るような音楽は圧巻だ。第2幕のエスメラルダとカジモトのパ・ド・ドゥでの神秘的な旋律に、『アラビアのロレンス』で流れていた音楽を感じるのは私だけだろうか。 「音楽は言葉でできないことを、沈黙していられないものを表現する」というユゴーの言葉どおり、人間の持つ光と闇を音楽で描いたジャール。その壮大な音絵巻をお楽しみいただきたい。
日時 | 2022年 6月11日(土)15:30 2022年 6月12日(日)14:00 <全2回公演> 上演時間 約2時間(休憩含む) |
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会場 | 東京文化会館 大ホール |
チケット料金 (税込・全席指定) |
6/11(土) 6/12(日) |
チケット取扱 |
牧阿佐美バレヱ団オフィシャルチケット http://r-t.jp/ambt06
東京文化会館チケットサービス 03-5685-0650 ※公演日により料金が異なりますので、ご注意ください。 |
キャスト/出演 |
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